新規開拓営業の手法12選を紹介。自社に合う手法の選び方と成功のコツも解説
2026/9/13
どの企業にも、既存の取引だけでは伸びしろが頭打ちになる局面が訪れます。取引先の予算縮小や担当者の交代など、自社では動かしにくい事情で揺らぐことも珍しくないため、多額の売り上げを確保できる取引先を複数抱えておくことは企業の健全な成長を支える条件ともいえます。
しかし「新規顧客を増やそう」としても、何から着手するかが決まらず動き出せない組織は珍しくありません。本記事では新規開拓営業の代表的な手法や自社に合うものを選ぶ基準、成果につなげるコツまで解説します。
新規開拓は「接点をつくったあとに誰がどう追いかけるか」で結果が変わります。
セルメイトはこの局面を担うプッシュ型インサイドセールスを支援しており、獲得したリードの見極めから育成、商談設定までの実行・伴走が可能です。
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目次
新規開拓営業とは?
新規開拓営業とは、これまで取引のなかった企業や個人との接点をつくり、商談から受注までつなげる営業活動です。
自社から働きかけるアウトバウンドだけでなく、問い合わせなどを起点とするインバウンドも新規顧客獲得の手段に含まれます。
飛び込み営業と同じ意味で使われることもありますが、飛び込みは数ある手法のひとつにすぎません。まずは似た言葉との違いを押さえておきましょう。
- 既存営業・ルート営業との違い
- インバウンド営業・アウトバウンド営業との違い
既存営業・ルート営業との違い
既存営業やルート営業は、すでに取引のある顧客と関係を保ちながら、継続利用や追加提案につなげる活動を指します。
両者を分ける主な基準は、すでに取引実績があるかどうかです。
| 項目 | 新規開拓営業 | 既存営業・ルート営業 |
|---|---|---|
| 相手 | 取引実績のない企業や個人 | すでに取引のある顧客 |
| 目的 | 新しい取引をつくる | 取引の継続や拡大 |
| 起点 | 自社からの働きかけ | 定期的な訪問や連絡 |
| 求められること | 短時間で興味を引き、信頼を得る | 顧客理解にもとづく提案と関係維持 |
同じ営業職でも、その中身は別物です。求められる力が違う以上、担当の割り振りや目標の置き方も分けたほうが噛み合います。
インバウンド営業・アウトバウンド営業との違い
新規開拓営業は、働きかけの向きによってアウトバウンドとインバウンドに大きく分けられます。アウトバウンドは自社から出向く形で接点を作る方法、インバウンドは相手が動くきっかけを用意して接触を待つ方法です。
| 項目 | アウトバウンド営業 | インバウンド営業 |
|---|---|---|
| 接点のつくり方 | 自社から個別に働きかける | 検索や広告を通じて見つけてもらう |
| 代表的な手法 | テレアポや飛び込み、手紙 | SEOや広告、SNS |
| 成果までの時間 | 短期でも商談をつくりやすい | SEOやSNSは立ち上がりに時間がかかる |
| 相性のよい場面 | 狙う企業を名指しできるとき | 顧客が自ら課題や解決策、商品カテゴリーなどを検索する市場 |
両者を分ける基本的な違いは、企業側から個別に働きかけるか、顧客側の行動を起点に接点をつくるかです。そのうえで、狙う企業を具体的に特定できる市場ではアウトバウンド、顧客が課題や商品カテゴリーを積極的に検索する市場ではインバウンドが選択肢になります。
この2つは「プッシュ型(アウトバウンド)」と「プル型(インバウンド)」とも呼ばれます。自社から押し出すか、相手が動くのを引き寄せるかという違いで、呼び方が変わっても指す中身は同じです。
このプッシュ型インサイドセールスの中身については、こちらの記事でも詳しく解説しています。自社に適したのたアウトバウンドなのかインバウンドなのかを確認する方法も記載しているので、こちらも併せてご覧ください。
参考記事:インバウンドとアウトバウンドの違いとは?営業戦略としての使い分けと組み合わせ方
新規開拓営業に取り組む3つのメリット
新規開拓営業で得られるのは、新しい取引そのものだけではありません。売上の構造が安定し、商品や営業のやり方を見直す材料も手に入ります。代表的なメリットとしては、以下の3点が挙げられます。
- 売上を伸ばすための顧客数を増やせる
- 既存顧客への依存と取引縮小リスクを分散できる
- 顧客の声を商品・営業戦略の改善に活かせる
売上を伸ばすための顧客数を増やせる
売上は顧客数・顧客単価・継続期間などの要素によって左右されます。このうち新規開拓営業が直接動かせるのは顧客数です。
母数が増えると、業種や企業規模の幅も広がります。そうなると単価アップや契約の長期化を狙う施策の対象も広がるため、
- どの層で上位プランが通りやすいか
- どの層が長く使い続けるか
といった点を比べられるようになり、単価や継続期間に手を入れる際の判断材料も蓄積されていきます。
逆に取引社数が少ないうちは、1社の事情がそのまま全体の傾向に見えてしまいます。特定の1社が値上げを受け入れたからといって他社も同じとは限らず、判断を誤る要因にもなりかねません。
既存顧客への依存と取引縮小リスクを分散できる
既存顧客は解約や予算削減、担当者の交代といった事情で「顧客」でなくなってしまうこともあります。
そのため、取引先が少ないほど1社の変化が売上に与える打撃は大きくなります。基本的に、取引社数が少ないことは経営リスクに直結しかねません。
たとえば、毎月の売上が1000万円ある企業の場合、1社から1000万円を受け取っている状態であれば、その1社を失った時点で収入は途絶えます。5社から200万円ずつ受け取っている状態なら、1社が抜けても800万円は残ります。

1社を失えば売上は減りますが、売り上げが0になって資金繰りが厳しくなるという事態を避けられるのはメリットです。
顧客の声を商品・営業戦略の改善に活かせる
新規開拓では契約や商談を断られる場面が多く発生しますが、そこで理由を聞けば、商材が求められていないのか、伝え方が噛み合わなかったのかを切り分けられます。新規開拓では断られる場面が多く発生します。そこで。前者なら狙う業種や企業規模の条件を、後者なら初回に話す順番や資料の見せ方を直す、という具合に手を入れる先が決まります。
聞き取った内容は、毎回記録して社内で共有しておくべきです。断られた理由が特定の業種に偏っていれば狙う相手を見直せますし、同じ質問が繰り返し出るなら資料やトークに不足があると判断できます。
こうしたヒアリングを行うことで競合他社はどんな理由で選ばれ、こちらの製品・サービスはどこで負けたかも拾えるため、自社の強みをとらえ直し、営業やマーケティング戦略を改善する材料にもなるのです。
新規開拓営業の手法一覧
新規開拓の手法は、接点のつくり方によってアウトバウンド型・インバウンド型・間接型の3つに分かれます。
| 型 | 手法 | 特徴 | 向く相手 | 主に見る指標 |
|---|---|---|---|---|
| アウトバウンド | テレアポ | 電話で直接アポを打診する | 決裁者が明確で短期に商談が欲しい相手 | 接触率、アポ獲得率 |
| アウトバウンド | 営業メール | 文面を送って反応を待つ | 担当者のアドレスが分かる相手 | 開封率、返信率 |
| アウトバウンド | 問い合わせフォーム営業 | 企業サイトの窓口から送る | 連絡先が公開されていない企業 | 送信数あたりの返信率 |
| アウトバウンド | 手紙・郵送DM | 郵送で役職者の手元へ届ける | キーパーソンを特定できている相手 | 送付後の反応率 |
| アウトバウンド | 飛び込み・訪問営業 | 訪問して対面で伝える | 訪問先が近接、現物を見せたい商材 | 訪問数、面談化率 |
| アウトバウンド | ソーシャルセリング | SNSで関係を育ててから打診する | SNS上で担当者と接点をつくりやすい業界 | つながり数、返信率 |
| インバウンド | SEO | 検索から継続的に流入を得る | 課題が検索されている市場 | 検索順位、資料ダウンロード数 |
| インバウンド | 広告 | 出稿して露出を買う | 短期に露出を増やしたいとき | 表示回数、獲得単価 |
| インバウンド | SNS | 発信して関心を集める | 認知を広げたいとき | 反応数、問い合わせ数 |
| インバウンド | セミナー・展示会 | その場で直接接点を持つ | テーマに関心のある層 | 参加者数、名刺獲得数 |
| 間接 | 紹介 | 第三者に取り次いでもらう | 自力では会えない相手 | 紹介件数、商談化率 |
| 間接 | アライアンス・代理店 | 他社の顧客基盤を使う | 販路を一気に広げたいとき | 提携先の稼働数 |
アウトバウンド型|新規開拓営業の手法6選
アウトバウンド型は、自社から相手に働きかけて接点をつくる手法です。狙いたい企業が絞れているなら、まず着手すべきはこの型で、リストと話す内容が用意できれば、比較的早い段階から接触数を積み上げられます。
以下はアウトバウンドの代表的な6手法です。
- テレアポ
- 営業メール
- 問い合わせフォーム営業
- 手紙・郵送DM
- 飛び込み・訪問営業
- ソーシャルセリング
テレアポ
営業リストをもとに電話をかけ、アポイントの取得や資料送付につなげる手法です。社内にいながら数をこなせるうえ、相手の反応がその場で返ってくるため、リストや話し方の修正にすぐ回せます。

担当者につながる前に切られる場面は多く、結果はリストの精度と最初のひと言に左右される面もあります。会話を続ける確率を上げるためには、相手企業のサイトやSNS、プレスリリースなどの発信を見て、直近の動きに触れられる状態にしておくとよいでしょう。
決裁者が明確で、短期間に商談を積み上げたい商材と相性のよい手法でもあります。
営業メール
用意した文面を送り、資料請求や商談につなげる手法です。1度に多くの相手へ届けられ、返信や問い合わせの記録が次のアプローチ先を絞る材料になります。
開封率は高くないため、件名と冒頭数行で相手の状況に触れられるかが分かれ目です。文面ですべてを伝えきる必要はなく、電話や商談への橋渡しと考えて情報量を絞るほうが返信につながることもあります。とくに、送信前には次の項目を確認しましょう。
| 確認する項目 | 見るポイント |
|---|---|
| 送信対象 | 公表された事業用アドレスか、承諾を得た相手か |
| 送信者の表示 | 会社名や連絡先を本文に明記しているか |
| 配信停止の手段 | 停止を受け付ける窓口を示しているか |
| 件名と冒頭 | 相手の状況に触れ、要件が分かる書き出しか |
営業メールを送る際は、特定電子メール法、個人情報保護法、各チャネルの利用規約を確認し、送信対象、送信者表示、配信停止方法を適切に管理してください。
問い合わせフォーム営業
企業サイトの問い合わせ窓口から自社の案内を送る手法です。メールアドレスが分からない相手にも届き、費用をほとんどかけずに数を打てます。ただし読まれる確率は高くないため、数を打てる手法と割り切って使うのがおすすめです。
問い合わせが担当部署へ渡る場合もありますが、営業目的の送信を断る企業も多いため、営業目的の問い合わせを断る但し書きがついていないか、別の問い合わせが示されていないかといった点に気をつけて送りましょう。
手紙・郵送DM
担当者宛てに手紙や案内資料を郵送する手法です。電話やメールでは届きにくい役職者へ渡りやすく、キーパーソンを特定できている場合に選択肢となる手法だといえます。製品・サービスの内容によっては資料やサンプルを一緒に渡すこともできるのもメリットの1つです。
ただし定型文のままでは他の郵便物に埋もれてしまうため、相手に何が刺さるのかを理解したうえで文面や内容を設計しておくことが不可欠です。
接触の数より「届く相手の質」を優先したい場面で、送り先を絞って使うことがおすすめです。
飛び込み・訪問営業
アポイントを取らずに訪問し、その場で商談のきっかけをつくる手法です。効率の悪い手法として語られがちですが、設計次第では一度会えたときに伝えられる情報量は他のどの手法よりも多くすることができ、資料や実物を見せながら相手の反応もその場で確かめられます。
| 決めておくこと | 中身 |
|---|---|
| 訪問先の並び | 移動距離と在席しやすい時間帯から順番を組む |
| 切り出しの一言 | 相手の事業に触れ、用件を短く伝える言い方 |
| 不在時の扱い | 資料と名刺を残し、次に訪ねる時期を決めておく |
とはいえ担当者が不在なら無駄足になり、移動時間も積み上がります。訪問先が地理的にまとまっている場合や、現物を見せる価値が大きい商材などに絞り、1社ずつ刺さりそうな切り口を用意してから回るのが現実的です。
ソーシャルセリング
SNS上で見込み顧客とつながり、関係を育てながら商談につなげる手法です。入口が売り込みではなく、日々の発信と反応の積み重ねになる点が、ほかの5つと異なります。

狙う企業に在籍する人を探して接点を持つ形が基本で、自社の知見を投稿し、相手の発信にも反応して面識ができた段階で個別のメッセージを送ります。通常なら接触の難しい相手にも届く一方、発信を続ける手間がかかり、内容によっては印象を損ねます。
アウトバウンドは、電話やメールをだけでは商談に届きません。狙う企業の選定や話す内容の設計、接触したあとのフォローまでを一連の流れとしてつくる必要があります。
セルメイトでは、この接触から育成、商談設定までの工程をプッシュ型インサイドセールスとして実行し、そのノウハウを貴社に残すことが可能です。自社の架電やメールが単発で終わっているなら、一度ご相談ください。
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インバウンド型|新規開拓営業の手法4選
インバウンド型は、顧客が自ら情報を探す動きに合わせて接点をつくる手法です。自ら情報を探した相手から問い合わせが届く反面、SEOやSNSは立ち上がりに時間がかかり、今期の不足分を埋める用途には向きません。代表的なのは以下の4手法です。
- SEO
- 広告
- SNS
- セミナー・展示会
SEO
SEOとは、検索結果で自社のページが上位に表示されるように整える取り組みです。顧客の疑問に答える記事を用意して流入を集めます。課題を言葉にして検索している相手と接点を持てるため、問い合わせの時点で検討が進んでいる場合もあります。
記事だけでなく資料をダウンロードできる窓口を用意しておけば、問い合わせに至る前の段階でも連絡先を受け取れるのが大きな魅力です。その一方で、上位に表示されるまでには制作と改善の期間が必要です。
カテゴリー名や課題を表す語に継続的な検索需要がある商材ほど、投じたコストを回収しやすいのも特徴の1つです。
広告
認知を広げるための広告は、テレビCMや看板といったオフラインのものからリターゲティング広告・ディスプレイ広告などのオンライン広告までさまざまです。適切に設定・審査された広告であれば出稿してすぐに露出を得られ、配信先や予算を細かく調整できます。主な種類は次のとおりです。
| 種類 | 届け方 |
|---|---|
| リスティング広告 | 検索結果に、検索語と対応した広告を表示する |
| ディスプレイ広告 | 外部サイトの広告枠にバナーを表示する |
| リターゲティング広告 | 自社サイトを訪れた相手に、外部サイトでバナーを表示する |
| オフライン広告 | 看板やチラシ、フリーペーパー、業界紙などで面に届ける |
出稿を止めれば流入も止まり、競合が多い領域では単価が上がります。短期の獲得と中長期の施策を組み合わせて運用するのが基本です。
SNS
企業アカウントから商材の紹介や活用例を発信し、興味を持った相手からの接触を待ちます。広告費をかけずに始められ、投稿が広がれば想定していなかった相手にも届きます。
とはいえ、商材の宣伝ばかりでは追ってもらえません。現場で使える知見や導入時のつまずきなど、読んだ相手の役に立つ内容を並行して出すことで、問い合わせ前の検討材料として見てもらえる可能性が高まります。
成果に結びつくまでには一定の期間が必要で、担当者の工数も継続的に発生します。誤った情報や配慮を欠いた投稿が短時間で広まる可能性もあるため、社内の確認体制を整えてから運用しましょう。
セミナー・展示会
自社でセミナーを開いたり、業界の展示会に出展したりして、その場で見込み顧客と接点を持ちます。特定のテーマに関心のある層が集まるため、名刺交換の時点で対象が絞られているのが大きなポイントです。
オンライン開催なら場所の制約がなく全国が対象になる一方、自社の知名度が低いと集客そのものに苦労する点には注意が必要です。
外部イベントへの出展は費用も大きいため、参加者の属性が自社のターゲットと重なるかを事前に確かめることも重要な点です。集めた名刺が放置されるのもつまずきやすい点で、翌営業日から誰がどう連絡するかまで決めておくと接点を生かせます。
こうした展示会で成果を出す方法については、こちらの記事でまとめてあります。成功のコツや商談獲得件数を2.5倍にした実例なども記載していますので、展示会で失敗したくない方はこちらも併せてご覧ください。
参考記事:【実例付き】展示会営業を成功させる方法。成果を出す設計方法から3つのコツまで解説
間接型|新規開拓営業の手法2選
間接型は、自社が直接アプローチせず、第三者を介して新規顧客とつながる手法です。規模の小さい企業が大手と接点を持ちたい場合など、自力では話を聞いてもらいにくい相手にも届きます。ここでは2つの形を紹介します。
- 既存顧客・取引先からの紹介
- アライアンス・代理店
既存顧客・取引先からの紹介
取引のある企業や知人から見込み顧客を紹介してもらう形です。紹介者への信頼が前提として働くため、初回から具体的な話に入りやすくなります。すでに自社を理解している相手が取り次ぐぶん、条件の外れた企業につながりにくいのも特徴です。
紹介が生まれる状態は、日々の対応の積み重ねでつくれます。既存顧客が成果を出せているか、要望に応えられているかを確かめ、声がかかる機会を増やしていきましょう。
ただし発生する件数は自社で決められないため、計画的に商談数を積む用途には使えません。対応がまずければ紹介者の顔をつぶす点にも注意しながら、他の手法と組み合わせて使いましょう。
アライアンス・代理店
どちらも相手企業がすでに持つ顧客基盤を通じて、自社の商品を届ける形ですが、関わり方が異なります。
| 項目 | アライアンス | 代理店 |
|---|---|---|
| 仕組み | 企業同士が提携し、共同で市場に届ける | 自社商品の販売を他社に担ってもらう |
| 売る主体 | 双方が自社の役割を持つ | 代理店が顧客に販売する |
| 主な狙い | 相互の強みを組み合わせる | 販路と営業人員の確保 |
自社の人員を増やさずに販路を広げられるのが最大の利点です。相手企業の顧客からは「取引先が扱っている商品」として受け取られるため、自社が単独で当たるより話を聞いてもらいやすくなります。
相手の販売網や営業力次第では大きな成果を出せる可能性もありますが、そのためには自社側の提案資料や研修、問い合わせ対応の窓口といった用意も必要です。
協業相手に任せきりにすると自社に顧客の情報が残らないため、商談の状況を共有する形も決めておきましょう。
自社に合う新規開拓営業手法を選ぶ基準
手法の数を増やすことと、成果が出ることは別の話です。自社や狙うべき企業・市場によって、成果を出すために取るべき手法は異なります。判断の物差しとなる主な基準としては、以下の5つが挙げられます。
- ターゲット企業の範囲と特定しやすさ
- 商材の受注単価・LTV
- 顧客の課題認知と商品カテゴリーの認知度
- 商談獲得までにかけられる期間
- 営業人員・顧客データなどの資産
ターゲット企業の範囲と特定しやすさ
狙う相手を具体的に特定できるなら、アウトバウンドや、狙う企業を定めて集中的にアプローチする「ABM(アカウントベースドマーケティング)」のような手法が向きます。対象が明確なほど、限られた人手を有望な相手に集中させられます。
顧客が共通の悩みを検索する市場なら、対象を広くとれるSEOや広告で面的に接点を集めるほうが効率的です。まずは既存顧客の業種や規模を洗い出し、対象が数えられる範囲かを確かめましょう。
また絞り込みは企業単位で終わらせず、どの部署の誰に当たるかまで詰めると精度が上がります。想定と実際の反応がずれることもあるため、商談の結果を見ながら絞り込み条件を定期的に見直すことも欠かせません。
具体的な企業を攻めるABMの進め方は、こちらの記事で詳しく解説しています。対象企業の選び方や営業とマーケティングの役割分担、着手の順番までまとめていますので、少数の企業に集中して成果を出したい方は併せてご覧ください。
参考記事:ABMとは?ターゲット企業を攻略する進め方と営業・マーケティング連携のポイント
商材の受注単価・LTV
1件の受注でどれだけの利益が残るかによって、かけられる手間の上限が決まります。目安になるのがLTV(顧客生涯価値)です。
たとえば月額3万円のサービスが3年続けば売上は約108万円、粗利率が5割なら残るのは54万円ほどです。この範囲に人件費や成約率、リスト・ツール費、管理工数を含む獲得コストが収まるか、回収まで何か月かかるかを見て判断します。

初回の受注額が小さくても、追加契約や上位プランが見込めるならLTVは伸びるため、初回受注額だけで決めるのではなく総合的に判断しましょう。
顧客の課題認知と商品カテゴリーの認知度
顧客が商品名も解決策も知らない状態では、そもそも検索されません。課題に気づいていない相手には、こちらから接点をつくって認識してもらう工程が必要です。
すでに比較検討が起きている市場なら、SEOや広告が有効です。自社の商材がどちらの段階にあるかは、カテゴリー名や課題を表す語の検索ボリュームと、問い合わせ時に出る質問の内容を合わせて判断します。
そもそもの認知度が低い段階では、商品の説明から入っても関心は向きません。同じ立場の企業がどんな課題を抱え、どう解決したかを先に示すほうが、自分ごととして受け取ってもらえます。導入事例やデータを、接触時の材料として用意しておきましょう。
商談獲得までにかけられる期間
短期間で商談を積み上げたいなら、テレアポや飛び込みなど、自社の動きがそのまま接触数になる手法が適しています。準備が整えば、比較的早い段階から接触数を積み上げられるのがアウトバウンドの利点です。
SEOやSNSは成果まで時間がかかるものの、軌道に乗れば安定した流入源になります。期末までの数字と翌期以降の基盤は目的が違うため、どちらにどれだけ人手を割くかを決めてから着手しましょう。
このとき、時間のかかる手法には見切りをつける時期をあらかじめ決めておくことも重要です。SEOなら成果を出すために数か月単位は記事の作成・更新など地道に続ける前提で始め、その間の商談はアウトバウンドで確保する、といった置き方をすれば、成果が出ない時期に迷わず続けられます。
営業人員・顧客データなどの資産
手元にある人手とデータも、選べる手法を左右します。過去に接点を持った企業のリストが残っているなら、新しいリストを買う前に掘り起こしを検討する価値があります。
営業担当が少人数や他業務との兼任しかいない状況で複数の手法を並行すれば、どれも中途半端に終わりかねません。自社で回せる範囲を見極め、足りない工程は外部の力を借りるかどうかを判断してください。
こうしたケースではまず1つに絞って型ができてから次を足すほうが、結果として早く積み上がります。誰がリストをつくり、誰が接触し、誰が商談に出るのかといった基本的な流れを決められない段階で手を広げても、途中で止まってしまいかねないためです。
この工程を助ける、配信や顧客情報の管理を担うツールは数多くあります。ただしこれらのツールは導入すれば成果が出るわけではなく、誰がどう使い、どの基準で次の手を決めるかが定まって初めて効率化につながります。
セルメイトではリストの絞り込みやトークの設計、案件化の基準づくりを進めながら、営業活動を再現するための仕組みを残す形で支援します。手法は決まったが動かす人手がいないという段階であれば、検討先のひとつに加えてみてください。
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新規開拓営業を成功させるコツ
同じ手法を使っても、成果が積み上がる組織とそうでない組織に分かれます。効き目が大きいのは相手の絞り込みで、ここを飛ばすと後の工夫が回収できません。押さえておきたい3点を挙げます。
- 手当たり次第で営業をしない
- 手法は一連のシナリオで組み合わせる
- 継続的な顧客との関係構築は必要
手当たり次第で営業をしない
成果が出ない組織ほど、リストの上から順に連絡し、反応がなければ次へ進む運用になりがちです。この進め方ではリストが尽きるのが早く、次に当たる相手を選ぶ基準も更新されません。
断られた理由を記録して共有する前提は前述のとおりですが、ここではその記録を、当たる順番とリストの条件を見直す材料として使います。
| ありがちな進め方 | 起きること | 代わりの一手 |
|---|---|---|
| リストの上から順に連絡する | リストが早く尽きる | 受注実績に近い条件で当たる順番を決める |
| 反応がなければ次へ進む | 断られた理由がリストに反映されない | 記録した理由を業種・規模別に並べ、成約と失注を見比べる |
| 条件が「メーカー全般」のまま | 誰にどう当たるかが担当者任せになる | 業種や企業規模、課題まで絞って方針を共有する |
条件は一度決めて終わりではありません。どの工程で何件必要かを数値で置いておけば、成果が伸びないときにリストの選び方でつまずいたのか、接触後の伝え方なのかを切り分けられます。
リストが尽きてしまう原因と、減らさないための設計についてはこちらの記事で詳しく解説しています。枯渇が起きる仕組みから、今日から取り組める補充のしかたまでまとめていますので、手元のリストの残量に不安がある方は併せてご覧ください。
参考記事:営業リストが枯渇する原因とは?今すぐ実践できる施策とリストを減らさない営業設計
手法は一連のシナリオで組み合わせる
ひとつの手法を単発で回すより、複数の接点を順につなげたほうが商談化に近づきます。前の反応が次の判断材料になるためです。たとえば資料をダウンロードした相手に翌日メールを送り、開封した人にだけ電話をかければ、関心の低い相手への架電に時間を取られずに済みます。
ここでつなぐのは接点だけではありません。前の接触で得られた課題に合わせて次に渡す情報を変えることで、はじめてこのシナリオが意味を持ちます。

組み立てるときは、どの手法で接点をつくり、どこで温度を上げ、どのタイミングで商談を打診するかを先に決めておきましょう。
継続的な顧客との関係構築は必要
初回の接触で「検討する」と言われた相手をそのままにすれば、時間の経過とともに接点は消えます。運用状況や課題を聞き取れているなら、その情報をもとに関係を続ける価値があります。
たとえば聞き取った内容を点数化して「見込み度」を見える形にしておけば、優先して当たる相手を判断しやすくなります。ここを省いて今すぐ買う相手だけを追うと、数か月先に動く可能性のあった商談を取り逃がしかねません。
| 相手の状態 | 次の打ち手 |
|---|---|
| 課題は聞けたが、検討はこれから | 事例やセミナー案内など、段階に合う情報を届ける |
| メールを送っても反応が薄い | 電話や個別メール、事例共有に手段を切り替える |
| 反応が急に鈍くなった | 追わずに間隔を空け、状況が動く時期を待つ |
点数化の軸には
- 担当者を特定できているか
- 課題やニーズを聞けているか
- 予算や導入時期を把握できているか
といった点を置きます。上位に来た相手はそのまま商談を打診し、「興味はあるが情報収集の段階にいる」という中位の相手とは継続的につながっておきましょう。条件が合わないと分かった相手は、追わずに手を止める判断も含みます。
新規リード獲得後に商談・受注へ繋げるなら「セルメイト」へ

セルメイトは顧客開拓を支援するブッシュ型のインサイドセールス代行です。新規開拓の営業では、リード獲得後に商談へつながるケースが稀で顧客との関係構築を実施して、商談・受注へとつながります。
セルメイトは、この顧客関係構築において新規顧客開拓のみを目的としたアウトバウンド営業ではなく、ターゲティング〜リスト抽出、スクリプト設計、スコアリングなど中長期で成果の出るノウハウを構築し、ご提供します。
社内に手を動かす人がいない、進め方が定まらないという段階でも構いませんので、まずは状況を聞かせてください。
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新規開拓の進め方を仕組みに変えた事例|株式会社ウーオ

出典:株式会社ウーオ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 業種 | 水産物の産地直送と販路拡大を担う法人向けアプリの開発・運営 |
| 課題 | インサイドセールスの体制が未整備で、顧客開拓が場当たり的なアプローチにとどまる |
| 施策 | 外部の実行支援を用いたインサイドセールスの立ち上げと、追客手法の切り分け |
| 効果 | 商談の獲得と並行して、進め方のノウハウが社内に蓄積 |
鮮魚の仕入れや受注業務などのアプリを展開する株式会社ウーオは、サービスが一定の段階に達し、買い手を増やす局面に入っていました。しかし顧客開拓からオンボーディング、その後のフォローまでを自社で回すには人員が足りず、ターゲット条件を定めないままリストへ全員で電話をかける状態が続いていました。
そこでセルメイトではインサイドセールス組織の立ち上げから資料送付後の継続的な追客、見込み度に応じた追客手法の切り分けを支援。固定のメンバーがプロジェクトに就く体制のもと、進行に伴って引き渡される商談の質も上がっていきました。
結果として初月から獲得商談の件数が順調に推移しただけではなく、インサイドセールスの手法そのものが社内に残った点も成果となりました。
まとめ
新規開拓営業は、大きくアウトバウンド・インバウンド・間接型の3つに分かれており、それぞれ向く商材と必要な時間が異なります。成果が出ないからと言って手法を増やすよりも、対象企業の範囲やLTV、使える人手を基準に「自社に最適な手法」を選ぶほうが成果に近づきます。
進め方も同じで、手当たり次第に当たるのではなく、条件に近い企業から順に接触し、前の反応を見ながら次の手を決める形に組み立てます。すぐに動かない相手も切り捨てず、状況が変わる時期に連絡できる状態を保っておけば、数か月先の商談につながります。