ABMの成功事例12選。成果を出すためのターゲット選定方法まで紹介 | プッシュ型インサイドセールス代行「セルメイト」   

ABMの成功事例12選。成果を出すためのターゲット選定方法まで紹介

2026/7/11

abm
セルメイト 運営

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「リードを集めても商談につながらない」「受注見込みの薄い顧客ばかりが増えてしまう」といった悩みを持つ方もいるでしょう。

こうした課題を解決する手法として注目されているのが、狙うべき企業をあらかじめ定めてアプローチするABM(アカウントベースドマーケティング)です。

そこで本記事では、国内外の成功事例を4つのタイプ別に紹介したうえで、共通点・ターゲット選定方法・外部支援の使いどころまで解説します。

マーケティング施策を成果が出るまで運用し続けるには、ターゲット選定やアプローチ設計のノウハウに加え、それを回し続ける営業リソースが欠かせません。

社内の営業体制に不安があるという場合は、プッシュ型インサイドセールスを支援するセルメイトにぜひご相談ください。

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ABMとは?

ABM(アカウントベースドマーケティング)とは、データ分析に基づいて自社が狙うべきアカウント(企業)を見極め、そのターゲットのLTV最大化に集中するマーケティング手法です。

従来型のマーケティングは、まず広く見込み客を集め、その中から有望なリードを絞り込んでいく「ファネル型」の発想が一般的でした。

これに対してABMは、出発点そのものが異なります。「先に攻略すべき企業を決める」という発想が起点となり、ターゲットを定めたうえで、その企業の課題やニーズに合わせた最適なアプローチを設計していきます。

参照記事:ABMとは?ターゲット企業を攻略する進め方と営業・マーケティング連携のポイント

リードベースドマーケティングとの違い

ABMと似た言葉に、リードベースドマーケティング(LBM)があります。

ABMは企業を決めることから始まる一方、LBMは広く見込み客(リード)を集め、その中から有望な顧客を選別したり育成したりしていく手法です。

ABMは自社が獲得したい企業を先に決めるため、そもそも「リードをいかに多く集めるか」という発想にはなりません。両者は目的そのものが異なり、ABMはLTVの最大化を、LBMは流入数の最大化を目指します

比較項目ABMリードベースドマーケティング
目的LTVの最大化流入数の最大化
アプローチ対象選定したアカウント/個人流入したアカウント/個人
主導する部門営業とマーケティングの連携マーケティング主体
リードタイム長い短い

自社サービスがどちらの手法に向くかは、ターゲットの広さや単価によって変わります。

少数の大型顧客に深く入り込むビジネスであれば、ABMの考え方が成果につながりやすいといえます。

ABMの自社単独での推進に難しさを感じる場合は、ターゲット選定からアプローチ設計までを伴走できる支援パートナーの活用も選択肢になります。

プッシュ型インサイドセールスを支援するセルメイトは、支援の一環として企業単位での攻略シナリオ設計と商談創出を一気通貫で伴走することも可能です。

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ABMが注目されている背景

ABMが注目される理由は、BtoBビジネスの構造変化にあります。

成約数重視のKPIから脱却したい企業や、顧客理解を深めて他社との差別化を図りたい企業の取れる合理的な選択肢の1つがABMなのです。

具体的な理由は、以下の3点に集約できます。

  • 成約数よりもLTVが重視されているため
  • 顧客の解像度を上げることが重要なため
  • 顧客の購買体験が向上するため

成約数よりもLTVが重視されているため

サービスを立ち上げたばかりの頃は、実績をつくろうと成約数の拡大に意識が向きがちです。ただ、件数だけを追いかけていると、自社サービスとそもそも相性のよくない顧客まで取り込んでしまう可能性もあります。

相性の悪い顧客を抱え込むと、以下のような状態になります。

  • 期待した成果が出ず、早期に解約されてしまう
  • サポートに手間がかかるわりに単価が低く、採算が合わない
  • 積み上げたはずの数字が後から崩れ、事業の伸びを鈍らせる

だからこそ意識したいのが、「誰に届けるべきか」をあらかじめ見極め、長く使い続けてもらえる顧客を取りにいくという発想です。

件数ではなくLTVの最大化に軸足を置くABMは、収益性の高い顧客基盤を築く効果的です。

顧客の解像度を上げることが重要なため

SNSやオウンドメディアでの情報発信が当たり前になった昨今、買い手が自ら情報を集める時代になりました。しかし、裏を返せば顧客に深く刺さる提案ができなければ他社に流れてしまうということです。

そのためには、対象企業の課題や意思決定構造まで踏み込んだ理解が欠かせません。

ABMでは、営業とマーケティングが協働して戦略策定から施策実行・検証までを担うため、解像度の高いアプローチが可能に

具体的には、

  • 業界特性
  • 企業規模
  • 導入部門
  • 課題感

といった切り口で整理しながらアプローチを設計できます。企業単位でターゲットを定めるABMだからこそ実現できる強みといえます。

顧客の購買体験が向上するため

大量のリードに同じ情報を一律に届ける施策では、受け手の業界や状況に合わない提案になりやすく、「自社向けの提案ではない」と感じられてしまいます。

顧客に自分事としてとらえてもらえない情報を発信し続けていても、商談化につながることはほとんどありません。

ABMはターゲットを厳選して絞り込むため、目の前の顧客に集中して提案でき、課題感に合わせた情報提供が可能になります。さらにLTV最大化に焦点を置くことで、検討を急かさずに価値提供へ集中できる点も導入すべきポイントです。

受注をゴールにしない姿勢が、顧客にとって心地よい購買体験を生み、受注率の向上にもつながるのです。新規顧客との長期的な関係構築を築ける可能性が高まるのも、ABMの特徴だといえるでしょう。

ABM広告・パーソナライズ型の成功事例

ここでは、広告配信やWeb・コンテンツのパーソナライズを軸に成果を上げた事例を紹介します。インテントデータを活用しながら、ターゲットごとに最適な情報を届けた点が共通しています。

  • Hexagon
  • Snowflake
  • Procore

Hexagon

出典:HEXAGON

項目内容
業種デジタルリアリティ・ソフトウェア(スウェーデン)
課題複数事業部が同一アカウントへ非協調的に接触する状態
施策部門横断のABM協議会設置とインテントデータ起点の広告最適化
効果6カ月で対象企業の60%がエンゲージ、広告クリック率278%向上

Hexagonは複数のソリューションを展開する大規模企業であり、異なるチームが同じアカウントへバラバラに接触してしまう課題を抱えていました。アカウント全体の活動を俯瞰できず、一貫した働きかけが難しい状態にありました。

そこで、経営層・営業・マーケティングを束ねる部門横断のABM協議会を立ち上げ、データに基づく方針決定へと転換。インテントシグナルを活用してターゲットを見極め、広告予算を適切な対象に集中させる体制を整えました。

結果として、6カ月で対象アカウントの60%がエンゲージし、パーソナライズ広告のクリック率は278%向上。ページビューも49%伸び、担当者の属人的なスキルや経験に頼っていた施策が再現性のある仕組みへと進化しています。

参照:Hexagon takes the guessing game out of ABM with insights from Demandbase

Snowflake

出典:Snowflake

項目内容
業種クラウドデータプラットフォーム(米国)
課題四半期に数千社規模で展開するABMのエンゲージメント向上
施策営業組織に合わせたABMチーム編成とWebサイトの1対1パーソナライズ
効果顧客平均単価80%増、営業有効パイプライン150%増

ABMの先進企業として知られるSnowflakeでも、ターゲット企業との関係を継続的に深める取り組みが課題でした。四半期ごとに数千社を対象とする規模で、いかに精度高く施策を回すかが問われていました。

同社はABMチームを営業組織の構造に合わせて編成し、各担当が約35名の営業担当を支援する体制を構築。インテントデータをスコアリングモデルに取り込み、営業と隔週で連携しながらWebサイトを1対1でパーソナライズしました。

こうした取り組みの結果、顧客平均単価は80%増加し、営業有効パイプラインは150%増加しています。デジタル施策と営業活動を連動させたことが、数値の押し上げにつながりました。

参照:Using ABM Personalization To Drive 150% More Qualified Pipeline

Procore

出典:Procore

項目内容
業種建設管理SaaS(米国)
課題急成長期における持続可能なABM体制の構築
施策外部コンサルとの連携、ジャーニー段階別の施策と広告の自動最適化
効果18カ月でアウトバウンドパイプラインの約75%がABM由来

Procoreは急成長のさなかにABMプログラムを立ち上げる必要があり、より持続可能でターゲットを絞った体制づくりが求められていました。デマンドジェネレーション戦略の実行精度を高めることが出発点でした。

同社は外部のマーケティングコンサルと組み、1対多のABM戦略を採用。第1・第3パーティデータとインテントを集約し、アカウントのジャーニー段階に応じて広告投資を自動的に調整する仕組みを整えました。このとき、営業へ引き渡す「商談化準備が整った状態」も明確に定義しています。

ABM開始から18カ月でアウトバウンドパイプラインの約75%がABMプログラム由来となり、商談化準備が整ったアカウントへの転換は5倍に伸びるなど大きな成果を上げています。その段階に到達した企業は、商談化の確率が4倍に高まっているそうです。

参照:Procore partners with Inverta to launch best-in-class ABM program powered by Demandbase

インテントデータ・ターゲット選定型のABM成功事例

ここでは、インテントデータやWeb行動の分析を起点に、狙うべき企業を見極めて成果を上げた事例を紹介します。「どの企業を、どの順番で攻めるか」を精緻化した点が共通しています。

  • freee
  • Zoom
  • SAP Concur

フリー株式会社

出典:freee株式会社

項目内容
業種クラウド型バックオフィスSaaS(日本)
課題新プロダクトの売上停滞と限られたマーケ予算
施策ターゲットを大規模企業へ転換し、インテントデータ活用のPUSH型ABMを強化
効果コールtoアポ率が2倍以上に向上

freee株式会社は、新たに立ち上げた福利厚生領域のプロダクトで売上が伸び悩み、営業戦略の見直しを迫られていました。さらにマーケティング予算に限りがあり、インバウンドリードもほとんどないという状況から立て直す必要がありました。

そこで、小規模事業所中心のターゲットをより規模の大きい企業群へと転換し、インテントデータを活用したPUSH型のABM施策とBDR施策を強化。「社宅」関連のキーワードを検索する企業を分析し、アプローチすべき企業の見極めに役立てています。

分析の結果、架電時に社宅を利用している企業の割合は3.3倍、管理を代行会社に委託している企業の割合は9倍に高まり、コールtoアポ率は2倍以上に伸びました。狙うべき企業の解像度が上がったことが、成果に直結しています。

参照:新プロダクトのPMFに向けた仮説検証の伴走体制がすごい。

Zoom

出典:Zoom

項目内容
業種ビデオ・コミュニケーションソリューション(米国)
課題サイロ化したターゲティングと営業・マーケの連携不足
施策インテントデータによる統一的ターゲティングと営業への高精度リスト提供
効果対象アカウントの商談が6.25倍増、営業転換率36%向上

Zoomはワークフローの分断によってABMのターゲティングが断片化し、潜在顧客の興味・関心などのインテントデータが不足したことで、パーソナライズとスケールの両立に課題を抱えていました。営業側でも、高機会のアカウント特定を効率よく行えていないという課題がありました。

同社はインテントデータを軸に営業とマーケの優先順位を共通化し、高インテントのアカウントへパーソナライズしたキャンペーンを展開。営業には優先順位づけされたアカウントリストを提供し、RFP前の「検討中」企業を早期に発掘できるようにしました。

その結果、ABMキャンペーンの対象アカウントでは商談が6.25倍に増加し、営業の転換率は36%向上。Tier1で90%、Tier2で80%という高いエンゲージメント率も実現しています。

参照:How Zoom enhanced alignment and achieved transformative growth with Demandbase

SAP Concur

出典:SAP Concur

項目内容
業種経費管理SaaS(米国)
課題膨大なターゲットと限られた広告予算の両立
施策分散したデータの統合とインテントシグナルによる優先順位づけ
効果売上52%増、商談規模57%増、パイプライン59%増

SAP Concurの米国エンタープライズ担当者は、攻めるべきアカウントが膨大である一方、予算は限られているという制約を抱えていました。リストの優先順位づけと広告費の最適化が急務でした。

同社は、SalesforceやMarketoなど分散していたデータをひとつに統合し、インテントシグナルを加えてアカウントの状況を可視化。マルチタッチのキャンペーンと分析を組み合わせ、成果の出ている施策に投資を集中させました。

その結果、ターゲットアカウントへの広告後にWeb訪問が60%増加し、エンゲージメントは51〜95%向上。売上は52%、商談規模は57%、パイプラインは59%とあらゆる指標が伸びています。

参照:SAP Concur elevates revenue metrics with enhanced account focus & advertising

ABM基盤・営業マーケ連携型の成功事例

ここでは、データ基盤の整備と営業・マーケティングの連携によって成果を上げた事例を紹介します。施策単体ではなく、組織と仕組みの土台づくりに踏み込んだ点が共通しています。

  • PageUp
  • Denodo
  • Procore

PageUp

出典:PageUp

項目内容
業種人材獲得ソフトウェア(オーストラリア)
課題専任のABM機能がなく、施策が複数ツールに分断
施策営業・マーケ・広告をつなぐデータ基盤をゼロから構築
効果導入数カ月で新規商談を創出、全社的なGTM連携を実現

PageUpは買収を機に大きな成長戦略へ踏み出し、全主要地域への拡大を進めていました。しかし専任のABM機能を持ったことがなく、「どのアカウントが自社に関心を寄せているか」を十分に可視化できていませんでした。

同社は営業・マーケティング・広告をつなぐインテリジェンス層を導入し、データドリブンなABMの土台をゼロから構築。「グローバルで考え、ローカルで動く」という方針に沿って、地域ごとの実行力も両立させました。

導入からわずか数カ月で新規商談を創出し、広告キャンペーンは業界ベンチマークを大きく上回るなど、共有データを軸とした全社的なGTM連携が大きな成果を生み出しいます。

参照:PageUp powers rapid ABM success and global expansion with Demandbase

Denodo

参照:Denodo

項目内容
業種データ管理・データ仮想化(米国)
課題従来のリードベース施策が複雑な購買サイクルに不適合
施策リードベースからアカウントベース体験(ABX)への転換
効果営業・SDRの優先順位づけ改善と商談進行の大幅な高速化

Denodoはグローバル展開を進める中で、従来のリード獲得型の施策が複雑で非線形なエンタープライズの購買サイクルに合わなくなっていました。システムを統合し、転換可能性の高いアカウントへ集中する必要がありました。

同社は、SalesforceとMarketoを横断してデータ・インテント・エンゲージメント情報を接続し、スケーラブルなABX(アカウントベース体験)の枠組みを構築。リードベースからアカウント単位の体験設計へと発想を切り替えました。

その結果としてチーム間の連携が強まったことで、営業とSDRの優先順位づけが大きく改善。商談の進行が大幅に速まるなど、初期段階から手応えのある成果が現れています。

事例の詳細はこちら:Denodo transforms its go-to-market with Demandbase

Case IQ

出典:Case IQ

項目内容
業種内部通報・ケース管理・コンプライアンス監視SaaS
課題旧ABMツールの機能不足と営業・マーケの連携不全
施策Demandbaseへの刷新と予測分析によるアカウントスコアリング
効果3週間で初回キャンペーンを立ち上げ、営業・マーケの連携を改善

Case IQは、内部通報やコンプライアンス対応を支援するソリューションを提供していますが、従来のABMプラットフォームでは操作性やアカウント分析機能に限界を抱えていました。営業とマーケティングの連携も不十分で、高価値なアカウントを効率的に見極められない状態だったのです。

そこで同社はDemandbaseへ乗り換え、予測分析を活用したアカウントスコアリングや、業種・製品ごとに最適化したジャーニー設計を導入。専任のスペシャリストによる支援も受けながら、ABM施策の精度を高めていきました。

その結果、わずか3週間で初回キャンペーンを立ち上げるスピード感を実現。共有ダッシュボードやエンゲージメント指標を通じて営業とマーケが同じ基準で重要アカウントを追えるようになり、データに基づいた優先順位づけが可能になっています。

参照:Case IQ levels up their ABM strategy and operations with Demandbase

マルチチャネル・接点創出型のABM成功事例

ここでは、ダイレクトメールやギフティングなど複数チャネルを組み合わせ、接点を創出して成果を上げた事例を紹介します。デジタル以外の接点も設計に組み込んだ点が共通しています。

  • Cradlepoint
  • Genesis
  • GoCardless

Cradlepoint

出典:Cradlepoint

項目内容
業種通信機器・ネットワーク管理SaaS(米国)
課題民間企業と公的機関の双方への接点づくりと規制対応
施策Tier別のギフティングとダイレクトメールの仕組み化
効果1キャンペーンで236万ドル相当の商談機会と50件の商談を創出

Cradlepointは製品販売からサブスクリプション型へと事業を広げる中で、民間企業と公的機関の双方にアプローチする必要がありました。とりわけ公的機関にはギフティング規制があり、一律の施策が打てない難しさがありました。

同社はギフティングのプラットフォームを導入し、対象に応じてギフトを出し分けるTier別のダイレクトメール施策を仕組み化。住所確認機能で送付前にコストを抑えつつ、公的機関には1人あたりの単価を規制内に収める工夫を施しました。

その結果、あるダイレクトメールキャンペーンでは236万ドル相当の商談機会と50件の商談を創出。インタラクション率は89%に達し、1つのキャンペーンで53万ドル相当のパイプライン創出に寄与しました。

参照:Tailored direct mail opens $2M in private and public sectors

Genesis

出典:Genesis

項目内容
業種エンタープライズ向けデータプラットフォーム/AI(米国)
課題2名体制でエンタープライズABMをスケール実行
施策AIを活用したパーソナライズアセットの高速生成
効果アウトバウンドの商談獲得率が3倍、アセット作成時間を80%削減

Genesisは2名のマーケティングチームで、エンタープライズ級のABMをスケールさせる必要に迫られていました。デザインや開発のリソースがなく、パーソナライズしたページ作成に1ページあたり1週間以上を要する状態でした。

同社はAIツールを軸にしたクローズドループの仕組みを構築し、CRMデータや商談記録を素材としてパーソナライズアセットを生成。1日で20以上の1対1のABMページを作成できる体制を整え、営業の依頼に即時対応できるようにしました。

その結果、アウトバウンドの商談獲得率は3倍に向上し、アセット作成時間は80%削減。ダイレクトメールを受け取ったコールドアカウントの10%が商談へ転換するなど、ベンチマークを上回る成果を出しています。

参照:How Genesis Built an Enterprise ABM Program From Scratch, With a Team of Two

GoCardless

出典:GoCardless

項目内容
業種銀行間決済・オープンバンキング(英国)
課題営業・マーケ連携の深化とGTM全体の可視化
施策キャンペーン管理とエンゲージメントデータの一元化
効果オープンバンキング施策で予算に対し11倍のパイプラインROI

GoCardlessは複数地域で事業を展開する中で、営業とマーケティングの連携を深め、GTMプログラム全体の可視性を高めたいと考えていました。チャネルごとに分散したデータの統合が課題でした。

同社は、キャンペーン管理とエンゲージメントデータをひとつの画面に集約し、広告とエンゲージメントのツールを活用。営業が適切な見込み顧客や購買グループに到達できるよう、必要なインサイトを提供する体制を整えました。

その結果、オープンバンキングのキャンペーンでは予算に対して11倍のパイプラインROIを達成。マーケティング・営業・カスタマーサクセス・パートナーシップ間の連携も深まっています。

参照:GoCardless unifies sales and marketing to deliver 11X ROI with Demandbase

こうした顧客との接点を持つ施策としては、リードナーチャリングがその代表例として挙げられます。このリードナーチャリングの導入事例もこちらのページでまとめてあるので、リードナーチャリングの事例も知りたいという方はぜひこちらもご覧ください。

参考記事:リードナーチャリングの企業事例15選。事例からわかる3つの成功ポイント

ABMの成功事例から分かる共通点

ここまで紹介した事例には、業種や手法を問わず共通する成功の型があります。成功事例を表面的になぞるのではなく、この共通点を自社に当てはめて考えることが重要です。

  • ターゲット企業を絞り込んでいる
  • 営業とマーケティングが同じアカウントを追っている
  • リード数の最大化を成果指標に置かない

ターゲット企業を絞り込んでいる

成功している企業に共通するのは、マーケティングがリードを集め、営業が別の企業を追うといったバラバラの状態にないことです。攻めるべき企業を明確に定めたうえで、組織全体が同じ対象へ向かっています。

絞り込みの基準は、

  • 業界
  • 企業規模
  • 従業員数
  • 利用シーン
  • 既存顧客との類似性
  • 検索行動
  • 競合製品の利用状況

など多岐にわたります。こうした条件をもとに優先アカウントを設計し、「勝てる可能性の高い企業」を見極めて動くことが成功の秘訣だといえるでしょう。

特に重視されるのは、契約後の費用対効果やLTVの大きさです。受注して終わりではなく、長期的に価値が大きい企業を見極める姿勢が、ABM成功の土台になります。

営業とマーケティングが同じアカウントを追っている

ABMは部門ごとの活動ではなく、アカウント単位で営業とマーケティングの活動を統合する必要があります。成功事例の多くでは、両部門が同じ対象企業を共有して密に連携していました。

具体的には、営業が持つ現場情報とマーケティングが持つ行動データ・コンテンツ・広告接点を統合するとよいでしょう。

情報を分断させず、ひとつのアカウントを両部門で追う体制が、解像度の高いアプローチを可能にします。

Snowflakeが営業と隔週で連携し、Hexagonが部門横断の協議会を設けたように、連携の仕組みを明文化している点も見逃せません。部門を横断した連携の質が、そのまま成果の差として表れます。

リード数の最大化を成果指標に置かない

ABMでやってはいけないのは、資料ダウンロード数やリード数だけを成果指標にして効果検証を行うことです。ABMの目的は多くのリードに接触することではなく、狙った企業を商談化・受注へつなげることだからです。

したがって、見るべきはターゲット企業がどれだけ前進し、自社との関係が築けているかです。評価指標には、下記のような項目を据える必要があります。

  • ターゲットアカウント接触率
  • アカウントエンゲージメント
  • 商談化率
  • パイプライン
  • 受注率

リスト作成や優先順位づけを自社だけで進めるのが難しい場合は、インサイドセールス代行の活用も有効です。

指標設計から運用までを伴走できる体制があれば、ABMの実効性を高められます。こうしたインサイドセールスの代行会社の選び方などはこちらの記事にまとめてありますので、こちらもご覧ください。

参考記事:インサイドセールス代行20選比較。3つの導入判断基準と選び方を紹介

ABMで成果を出すためのターゲット選定方法

ABMの成否は、ターゲット選定の精度で大きく決まります。成功事例を参照にしつつも、最終的には自社固有のデータから狙うべき企業を導き出すことが近道です。

  • 既存顧客から勝ちパターンを抽出する
  • インテントデータやWeb行動で検討度を見極める
  • Tierごとに施策の深さを変える

既存顧客から勝ちパターンを抽出する

成功事例を見ることは大切ですが、企業ごとに特性や色は異なります。それ以上に有効なのは、自社がすでに受注・契約している企業を分析し、なぜ自社が選ばれたのかという勝ちパターンを抽出することです。

分析対象として見るべきは、

  • 受注単価が高い企業
  • 継続率が高い企業
  • 導入後の活用が進んでいる企業
  • アップセルが発生している企業

などです。これらに共通する条件を洗い出すことで、狙うべき企業像が具体的に見えてきます。またターゲット企業の条件を設定する際は、

  • 見込まれるLTV
  • 従業員数
  • 業界
  • 業種

といった項目が軸になります。抽出した勝ちパターンをもとに条件を定義すれば、ABMで成果を出すまでの距離を縮められます。

インテントデータやWeb行動で検討度を見極める

インテントデータとは、顧客がどのような行動を取っているかを示す行動データのことです。例えば、

  • どんなキーワードを検索しているか
  • どの広告を見ているかといった情報

から、企業の関心や検討度合いを推測することが可能です。

既存顧客の分析で狙うべき企業像が見えても、すべての企業が今すぐ検討しているとは限りません。そこでインテントデータやWeb行動を使い、関心のあるテーマや検討段階を推測することが重要になります。

フリー株式会社が検索キーワードからアプローチすべき企業を見極めたように、インテントデータは検討度の可視化に役立ちます。

既存顧客分析と組み合わせることで、ターゲット選定の精度が一段と高まるのです。

Tierごとに施策の深さを変える

ターゲットを絞るとはいえ、すべての企業に同じだけ個別対応すると工数がかかりすぎます。そこで、企業をTier(階層)に分け、優先度に応じて施策の深さを変える設計が有効です。

具体的には、絶対に攻略したい最重要企業はTier1として個別に設計し、業界課題が近い企業群はTier2として業界別に設計します。優先度は低いが接点を持ちたい企業はTier3とし、広告やナーチャリングによる自動化を中心に据えます。

Tierターゲット企業の特徴施策の深さ基本アプローチ具体的なアプローチ手法の例
Tier 1最重要企業深い個別設計・対象企業のIR情報や中期経営計画を読み込んだ個別提案書の作成
・営業、マーケ、CSなどの専任チーム体制による個別対応
Tier 2業界課題が近い企業群中程度業界別設計・その業界の「あるある課題」に特化したホワイトペーパー・事例集の配布
・同業他社の成功事例をフックにしたターゲットメール配信
Tier 3優先度は低いが接点を持ちたい企業(将来の商談狙い)浅い自動化・広告・ナーチャリング・MAツールを用いたステップメール(自動配信)
・汎用的なお役立ち資料の提供や定期メルマガ配信

Tier3の企業はすぐの契約が難しくても、継続的な接点を持つことで将来の商談につながります。こちらもナーチャリングなどの施策と組み合わせて顧客との関係性を構築し、導入への温度感を高めておきましょう。

ABMで成果を出すには、ターゲット企業の選定・優先順位づけ・接触シナリオの設計が欠かせません。

「狙うべき企業が定まらない」「リストはあるが商談化できていない」とお悩みの場合は、プッシュ型インサイドセールスを支援するセルメイトにご相談ください。

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ABM導入時に外部支援を使うべきか

ABMは自社単独でも進められますが、体制やデータの整備状況によっては外部支援を活用したほうが成果につながりやすい場面があります。まずは自社がどちらの状態に近いかを見極めることが大切です。

  • 自社だけで進めやすいケース
  • 外部支援を使った方がよいケース

自社だけで進めやすいケース

すでにABMの土台が整っている企業は、自社だけでも進めやすいといえます。判断の目安になるのは、データと体制が一定の水準に達しているかどうかです。

具体的には、下記のような条件がそろっている場合です。

  • 既存顧客データが整理されている
  • 営業とマーケティングの連携が取れている
  • BDRやインサイドセールスの体制がある
  • ターゲットアカウントの優先順位を自社で決められる

これらの条件を満たしていれば、自社のリソースでPDCAを回しながらABMを成熟させていくことが現実的です。準備を入念に行い、活動目標を設定して振り返る運用が成果を後押しします。

外部支援を使った方がよいケース

一方で、ターゲット選定の基準が定まっていなかったり、アプローチの体制が整っていなかったりする場合は、外部支援を検討する価値があります。立ち上げ段階の手戻りを防ぎ、早期に成果へ近づけるためです。

該当しやすいのは、下記のようなケースです。

  • ターゲット選定の基準が曖昧
  • インテントデータの活用方法が分からない
  • BDRやアウトバウンドの体制がない
  • 営業リストはあるが商談化できていない

こうした課題がある場合、ターゲット選定からアプローチ設計、商談創出までを伴走できる支援パートナーの活用が有効です。自社の状況に合わせて、自走と外部活用を使い分けるとよいでしょう。

まとめ

ABMは狙うべき企業を定めてLTV最大化に集中する手法であり、リード数を追う従来型とは出発点が異なります。本記事で紹介した事例が示すように、広告のパーソナライズやマルチチャネルの接点創出など、多種多彩なアプローチ手段があります。

自社で取り組む際は、既存顧客から勝ちパターンを抽出し、インテントデータで検討度を見極め、Tierごとに施策の深さを変えることが成果への近道になるでしょう。

実際にセルメイトが支援した株式会社ワンキャリアでは、新卒採用を実施・検討する企業という限られたターゲットに対し、同一リストへ複数回接触するアプローチを実施しました。

さらに、顧客のリアクションをもとにトークスクリプトをスピーディーに改善した結果、商談獲得率の向上に成功しています。

このように、狙うべき企業を明確にしたうえで、反応を見ながらアプローチを磨き続けることが、限られたターゲットから成果を引き出すポイントです。

ABMを自社だけで進めるのが難しいと感じる場合は、専門的な支援の活用も選択肢です。BtoBサービスに最適化されたプッシュ型インサイドセールスを支援するセルメイトでは、支援の一環としてターゲット企業の選定からアプローチ設計、商談創出までを一気通貫で伴走可能です。

「狙うべき企業が定まらない」「リストはあるが商談化できていない」とお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

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