インサイドセールスのKPI設定ガイド。成果につながる設定方法と追うべき指標を徹底解説
2026/2/14
「インサイドセールスにおいてKPIの設定方法がわからない」「KPIを立てているが、達成できない」という方も多いのではないでしょうか。
インサイドセールスのKPI設定は、売上向上を目指す上で重要な施策です。しかし、適切なKPIの設定方法やそもそもKPIが間違っているとKGI達成は難しいでしょう。
そこで本記事では、
- インサイドセールスのKPI設計で重要なポイント
- 実際のKPI設定方法
- 設定するべきKPI項目がわからない場合の対策
について詳しく解説します。
「KPIを設定しているのに商談や受注につながらない」「どの数値を優先して追うべきか分からない」場合は、インサイドセールスの仕組みそのものを見直すことが重要です。
このような課題を解決したい企業には、ターゲット設計からリスト作成、改善運用までを一気通貫で支援するプッシュ型インサイドセールス代行サービス「セルメイト」の活用がおすすめ。
戦略設計だけでなく実行フェーズまで伴走してくれるため、属人化しがちな営業活動を仕組み化し、KPIを追うための数字ではなく売上につながる指標へと転換できます。まずは以下のリンクからお気軽にお問い合わせください。
⇨セルメイトへのご相談・お問い合わせはこちら
目次
インサイドセールスのKPIとは?
インサイドセールスのKPIとは、業績評価のための主要な指標を指します。インサイドセールスにおいては、営業プロセスの各段階に設定した目標数値がKPIとなります。
たとえば、
- 今月アポイント取得10件
- 通話接続率50%
といった指標です。これらKPIを定量的な目標として定め、達成状況を追跡することで、インサイドセールス活動の成果を客観的に評価できます。
インサイドセールスのKPI設計はなぜ必要なのか
インサイドセールスのKPI設計が必要な理由は、常に追うべき数値・目標を明確にし、営業活動を感覚ではなくデータで判断できる体制を構築するためです。
営業活動を担当者の経験や勘に依存させてしまうと、成果の再現性が低くなり、組織として安定したパフォーマンスを維持することが難しくなります。一方で、適切にKPIを設計すれば「どの行動が成果につながっているのか」「どの工程に改善余地があるのか」を数値ベースで把握できるようになり、属人的な営業から脱却できます。
また、KPIを設定すると、以下のようなメリットがあります。
- ボトルネックが可視化できる
- リソース配分を最適化できる
- メンバー育成に活かせる
このようにKPIの設定によってインサイドセールス活動を科学的に分析・改善できるようになります。逆にKPIを定めずに「とにかく件数を増やそう」としても、本質的な課題を見誤りやすく、徒労に終わるケースが多いのです。
BDRとSDRで追うべきKPI項目は異なる
インサイドセールスには、大きく分けてインバウンド対応のSDRとアウトバウンド開拓のBDRという2つの役割があります。それぞれ業務の性質が異なるため、重視すべきKPIも変わってきます。
以下は追うべきKPI項目です。
| 観点 | SDR | BDR |
|---|---|---|
| KPI設計の考え方 | 質を最大化する指標を重視。検討度の高いリードを確実に商談へ転換することが目的 | 量を担保する指標を重視。接点を増やし、新たな商談機会を創出することが目的 |
| 最重要KPI | アポイント獲得数 | 商談化数 |
| プロセスKPI | ・初回対応速度 ・有効リード率 ・ナーチャリング完了率 ・商談品質 | ・架電数 / メール送信数 ・接続率 ・決裁者接触率 ・架電あたりの商談化率 |
つまり、SDRは質に関するKPI、BDRは量に関するKPIをより重視する傾向があります。それぞれのチームで追うべき指標を明確にし、適切に役割分担することが大切です。
以下の記事では、BDR/SDRそれぞれのインサイドセールスにおけるコツについて解説していますので、あわせてご覧ください。
参照記事:インサイドセールスのコツ10選!BDR・SDR別に徹底解説
インサイドセールスのKPI設計で重要な3つのポイント
インサイドセールスのKPIを考える際には、漫然と数値目標を設定するのではなく、戦略的に指標を設計することが重要です。ここではKPI設計時に押さえるべき3つのポイントを紹介します。
- ゴールから逆算でKPIを決める
- CACとLTVで数字の妥当性をチェックする
- KGIは商談数を設定する
ゴールから逆算でKPIを決める
KPI設計では、最終ゴールから逆算して指標を決定することが重要です。下記の図は、インサイドセールスにおけるファネル構造を示しており、商談という最終成果は突然生まれるものではなく、その手前にある複数の中間指標によって支えられています。

実際にKGIを「今期の新規受注10件」とした場合、上記の図に当てはめてみると以下のように設定ができます。
まず受注から逆算します。
①受注率20% → 必要商談数:50件
②商談化率50% → 必要パーミッション数:100件
③有効接触率33% → 必要接触数:約300件
④接触率50% → 必要ターゲットリスト数:約600件
このように図の上から下へ、あるいは下から上へと数字を分解していくことで、「どれだけリストを準備すべきか」「何件フォローすべきか」「どの段階で歩留まりが落ちているのか」が明確になります。
重要なのは、商談数だけを見るのではなく、その手前にある各フェーズを構造的に捉えることです。添付図のようにファネルで整理すれば、どこがボトルネックになっているのかが一目で分かり、改善すべきポイントに集中できるようになります。
CACとLTVで数字の妥当性をチェックする
KPIを設定したら、その数値目標がビジネス的に妥当かを確認することも重要です。ただ闇雲に高い目標を掲げても、費用対効果が見合わなければ意味がありません。そこで指標の妥当性を判断する基準として
- CAC(顧客獲得単価)
- LTV(顧客生涯価値)
をチェックしましょう。
例えば、1件の新規受注を得るのに営業コストが40万円かかったとします(CAC=40万円)。しかしその顧客から得られる利益が20万円しかなければ、1件受注するごとに20万円の赤字です。いくらインサイドセールスがKPI達成のために頑張って受注件数を伸ばしても、売れば売るほど会社としては損失が増える状態ということ。
こうした事態を避けるため、設定したKPI目標を達成した際のCACとLTVのバランスを事前に確認しておきます。
たとえば目標件数に対して必要な人員数や活動量を試算し、人件費・施策費がどの程度かかるか計算します。そのCACと、予想される受注から得られるLTVを比較し、LTVがCACを上回っているかをチェックします。もし**「KPI通り達成しても赤字」というのであれば、目標値自体を見直す、営業手法を工夫してコストを下げるなどの調整が必要**です。
KGIは商談数を設定する
インサイドセールスのKGIは企業ごとによって、設定している指標は異なりますが、KGIには「商談(アポイント)数」を設定するのがおすすめです。
インサイドセールスは受注のクロージングまで担当しないケースが多く、フィールドセールスや営業部門が商談後の契約を引き継ぎます。そのため、インサイドセールス部門単体で「受注件数」をKGIにしてしまうと、成果の責任の所在が不明確になりやすいのです。
例えばインサイドセールスチームがKGI=受注10件を課せられている場合、実際に受注できなかったときに、どこがネックになっていたか判断しづらくなります。どの段階に課題があったのか不透明では改善も進みません。
そこで、インサイドセールス部門としてのKGIは「商談創出10件」など商談数にフォーカスします。こうすれば、
- インサイドセールス=商談をつくる役割
- フィールドセールス=商談を成約させる役割
と明確に線引きでき、各チームがお互いのKPIを管理しやすくなります。商談数を最重要ゴールとすることで、インサイドセールスは質・量両面でより良い商談機会を創り出すことに集中できるのです。
なおKGIを商談数に設定する際、「商談の数と質のどちらを重視するか」も決めておきましょう。単に件数だけを追うと内容の薄い商談が増えてしまう懸念もあるため、例えば「有効商談率○%以上で◯件」など質的な目標も組み合わせると理想的です。
追いかけるべきインサイドセールスのKPI
具体的にインサイドセールスで設定すべきKPI項目にはどのようなものがあるか見ていきましょう。インサイドセールスは見込み顧客へのアプローチから商談創出までのプロセスを担うため、活動量・プロセスの質・成果の3つの観点で指標を設定するのが一般的です。
主なKPI項目を以下の表にまとめます。
| KPI指標(項目) | 内容・意味(何を測るか) |
|---|---|
| アプローチ数(架電数・メール数) | インサイドセールスが一定期間に実施した見込み客へのアプローチ総数。電話架電の件数や送信メール数など活動量を示す基本指標で、「どれだけの量をこなしたか」を測定 |
| 接続数/接続率(コネクト率) | ターゲットに実際に接触できた数およびその割合。架電数に対して相手と通話できた件数や、メール送信に対して返信があった件数 |
| 有効会話数/有効会話率 | 接続した中で、ただの挨拶や断られて終わりではなくニーズのヒアリングや次行動に繋がった有意義な会話の件数・割合 |
| 商談化数/商談化率 | インサイドセールスが創出した商談(アポイント)数およびコンタクトから商談に至った割合。インサイドセールスのもっとも重要な成果指標 |
| 有効商談数/有効商談率 | 創出した商談のうち、有効とみなされる質の高い商談数および割合。「有効商談」の定義は企業によりますが、例えば意思決裁者が参加している、具体的な課題ヒアリングまで完了したなど受注に前向きな見込み度の高い商談を指すことが多い |
| 受注数/受注率 | 商談の結果、実際に受注(契約)に至った件数および商談に対する受注転換率。インサイドセールスがクロージングまで担当する場合は直接的なKPIになる |
上記のように、活動量→プロセスの質→成果という流れに沿って各種KPIを設定できます。
まず「アプローチ数」で母数となる活動量を押さえ、「接続率」や「有効会話率」でアプローチの質を見ます。そして「商談化数・率」で実際に創出した商談の成果を測り、必要に応じて「有効商談率」や「受注率」でさらに質と最終成果を追うわけです。
自社の営業プロセスや商材に合わせて、必要な指標を選定・カスタマイズしましょう。例えば、インバウンド中心なら初回応答までの時間なども重要なKPIとなりえます。
インサイドセールスのKPI設定方法・計測方法
ここからは弊社セルメイトが実際にKPIを設定し、成果を創出した事例を交えながら設定方法・計測方法を解説していきます。
以下の表は課題・取り組み・成果を簡易的にまとめたものです。なお、支援した企業はバックオフィス系SaaSです。
| 課題 | ・大手企業と接点が作れず、商談が生まれない ・業界・業種ごとに手当たり次第にアプローチ |
| KPI設定の取り組み | ・アポ獲得数だけではなく、リードスコアの「D→C→B→A」への遷移率を中間KPIとして設計 ・「担当者特定数」「キーマン接触数」「課題ヒアリング完了数」「資料送付数」を追跡指標に設定 |
| 成果 | ・大手企業の商談数が5倍に向上 ・アウトバウンド経由の受注率15%を実現 ・商談化まで平均3週間・合計7回の架電というプロセスが型化 |
1.KGIを商談化数・率に決定する
前述したように、最初のステップはインサイドセールス部門のKGIを定めることです。KGIには商談創出数を設定するのが基本ですが、必要に応じて商談化率など割合指標も補助的に設定します。
事例に当てはめると、まずKGIは「大手企業の商談創出数」と「商談化率」に設定するのが合理的です。この企業は当初、業界や業種を広く攻める闇雲なアプローチを行っていたため、接触数は増えているにもかかわらず商談が生まれず、結果としてリストだけが枯渇していました。
ここで重要なのは、「インサイドセールスの最終成果は何か」を明確にすることです。本事例では受注ではなく営業に渡せる商談をどれだけ創出できたかが部門の価値になるため、KGIを商談化に置くことで組織の動きがブレなくなります。
例えば、
- 大手企業の商談を月20件創出する
と定義すれば、架電やメールといった日々の活動も商談につながるかどうかという基準で評価できるようになります。
ただし、この事例のようにBDR中心の組織では「今すぐ検討している顧客」に出会う確率が低いため、商談化数だけを追うと短期成果を優先して無理にアポを設定し、質の低い商談を量産してしまうリスクがあります。そこで補助指標として商談化率を設定することで、「量だけでなく質も担保する」状態を作りました。
2.各フェーズで追うべきKPIを定義する
KGIを定めた後は、営業プロセスを分解し、各フェーズで何を追えば商談につながるのかを明確にします。インサイドセールスは「リード獲得 → 接触 → 有効接触 → 商談設定」という流れで進みますが、SaaSの事例では、商談だけを追うのではなく見込み化のプロセスを可視化する設計へと転換しました。
もともと同社は業界・業種ごとに闇雲なアプローチを行っていたため、接触数は増えても商談につながらず、リストが枯渇状態に。そこでKGIである商談創出を達成するために、リードスコアの「D→C→B→A」遷移を軸にフェーズごとのKPIを定義しています。
具体的には、以下の表の内容です。
| スコアフェーズ | 主なKPI(追跡指標) | 測定する目的 |
|---|---|---|
| D→C | 担当者特定数 | 企業の代表窓口ではなく、実務に関係する人物を把握し、アプローチの精度を高める |
| C→B | キーマン接触数 | 商談に関与できる意思決定者・担当者と接触し、営業機会の土台を作る |
| B→A | 課題ヒアリング完了数・資料送付数 | 課題認識を引き出し、情報提供によって検討可能な見込み顧客へ引き上げる |
このようにフェーズごとにKPIを設計したことで、「商談に至らない原因はどこにあるのか」が数値で把握できるようになりました。例えば商談数が伸びない場合でも、
- 担当者を特定できていないのか
- キーマンに接触できていないのか
- 課題ヒアリングまで進んでいないのか
といったボトルネックを特定できます。
3.目標値を逆算して設定する
KPIを定義した後は、KGIから逆算して各指標の目標値を具体的に設定します。バックオフィス系SaaSの事例でも、闇雲にアプローチするのではなく、「どれだけ行動すれば商談に到達するのか」を数値で分解することで、再現性のあるBDR運用を実現しました。
例えば、この企業が「大手企業の商談を月20件創出する」というKGIを置いたとします。本事例ではリードスコアのD→C→B→A遷移を重視しているため、一般的な**「架電→商談」ではなく、見込み度の引き上げプロセスから逆算するのがポイント**です。
【逆算イメージ(例)】
商談目標:20件
・A→商談化率:50% → Aランクリード40件が必要
・B→A遷移率:50% → 課題ヒアリング完了80件が必要
・C→B遷移率:40% → キーマン接触200件が必要
・D→C遷移率:50% → 担当者特定400件が必要
つまり、「とにかく架電を増やす」のではなく、
・担当者特定400 → キーマン接触200 → 課題ヒアリング80 → 商談20
という階段型の目標設計に
ここで重要なのは、本事例のようにBDRは今すぐ客が少ない前提で設計することです。商談だけを追うとリストが枯渇しますが、
- 今回は課題なしでも担当者が分かった
- 次回接触の了承が取れた
といった前進を数値で評価できれば、リードを資産として蓄積できます。実際に同社は電話+メール+電話の複数回接触を前提にプロセスを設計し、商談まで平均3週間・7回架電という型を確立しました。
4.実績との差分を確認・改善ポイントを特定
KPIを設定して運用を開始したら、定期的に実績を測定し、目標との差分を確認することが重要です。これはいわゆるPDCAサイクルにあたり、週次・月次などで各指標の進捗をモニタリングし、未達項目があれば原因を分析して改善につなげます。
今回のバックオフィス系SaaSの事例に近いケースを想定すると、例えば次のような状況が考えられます。
【想定ケース】
・担当者特定数:目標400件 → 420件(達成)
・キーマン接触数:目標200件 → 110件(未達)
・課題ヒアリング完了:目標80件 → 45件(未達)
・商談化数:目標20件 → 11件(未達)
この場合、「担当者特定」は順調なためリスト量に問題はありません。一方でキーマン接触が大きく落ちていることから、ボトルネックは接触の質にあると判断できます。
【考えられる原因例】
・代表番号への架電が多く、意思決定者につながっていない
・部署直通番号や個人メールの取得が不足している
・トークが受付突破を前提に設計されていない
このような仮説を立てた場合、改善施策としては次が考えられます。
【改善策例】
・部署直通リストの収集を強化する
・「ご担当者様につないでいただく理由」を明確にしたトークへ修正
・メール先行→架電フォローの順番に変更し、心理的ハードルを下げる
重要なのは、問題のないフェーズに手を加えないことです。もしKPIを見ずに「商談が少ないから架電数を増やそう」と判断してしまうと、本質的な課題を放置したまま活動量だけが増え、現場が疲弊する恐れがあります。
KPIがあれば、的外れな施策を避け、本当に改善すべきポイントに集中できます。以下の記事では、インサイドセールスの立ち上げについて解説しています。「そもそもインサイドセールスが機能していない」という方は、あわせてチェックしてみてください。
参照記事:インサイドセールス立ち上げの完全ガイド。BDR組織の33チェックリスト付き
また、ここまでを読んで「やるべきことは分かったが、社内のリソースやノウハウが足りず実行まで落とし込めない」「KPIを設計しても、運用が続かず数字がブレてしまう」方もいるでしょう。
そんな方はセルメイトの利用を検討してみてください。セルメイトでは、戦略設計だけで終わらせず実行フェーズまで伴走しながら支援。自社の状況に合わせて「どのKPIを、どの定義で、どの頻度で見れば商談が増えるのか」を整理したい方は、お気軽にお問い合わせください。
⇨セルメイトへのご相談・お問い合わせはこちら
設定するべきKPI項目がわからない場合の対策
ここまで読んで、「自社の場合どの指標をKPIにすればいいのかピンと来ない」という方もいるかもしれません。最後に、設定すべきKPI項目がわからないときの考え方やフレームワークを紹介します。迷ったときは次のポイントをチェックしてみましょう。
- KPIツリーを作る
- SMARTを活用する
- 数値として測定できるかで考える
KPIツリーを作る
一つ目の対策はKPIツリーの作成です。KPIツリーとは、最終目標であるKGIと、それを達成するためのKPIの関係性を木の枝状に整理したものです。KGIを起点に「その成果を生むために何が必要か」を階層的に分解することで、目標達成までのプロセスが明確になります。
例えばバックオフィス系SaaSのBDRを想定し、KGIを「月20件の商談創出」と置いた場合、以下のようなKPIツリーが作成できます。

このようにKGI達成のための要因を漏れなく洗い出し、ツリー状に可視化するのです。
KPIツリーを作ることで、「そもそも何を指標にすればいいのか?」が見えてきます。インサイドセールスにおいて重要なプロセスを図に書き出し、上から下に繋げてみましょう。
上位の目標(商談20件)が決まれば、その下位要素(架電50件や接続率30%など)が自然とKPI候補になります。論理的にKPIを洗い出すことで漏れや重複も防げますし、チーム内で指標の意味を共有するのにも役立ちます。
SMARTを活用する
次にSMARTの法則を活用する方法があります。SMARTとは目標設定のフレームワークで、具体性・計測可能性・達成可能性・関連性・期限の5つを満たすように設計する考え方です。
ここでは「KGI=月20件の商談創出」を目標にしたバックオフィス系SaaSのインサイドセールスを例に、実際の数値を用いて解説します。
| SMART要素 | 具体例 |
|---|---|
| Specific(具体的) | 「大手企業の新規商談を月20件創出する」担当者特定400件 → キーマン接触200件 → 課題ヒアリング80件 → 商談20件 |
| Measurable(計測可能) | ・担当者特定:400件/月 ・キーマン接触率:50% ・課題ヒアリング率:40% ・商談化率:25% |
| Achievable(達成可能) | インサイドセールス4名体制の場合:担当者特定400件 → 1人あたり月100件(1日約5件) |
| Relevant(関連性) | 商談20件 × 受注率20% = 受注4件平均受注額150万円 → 売上600万円 |
| Time-bound(期限) | 「今四半期中に月20件体制を確立する」1ヶ月目:10件 → 2ヶ月目:15件 → 3ヶ月目:20件 |
SMARTを満たしていない例として、「問い合わせ対応の品質を上げる」という目標があります。これをSMARTに直すなら、「翌月までに問い合わせから初回連絡までの平均時間を6時間→2時間以内に短縮する」といった形です。
数値・期限・基準が明確になるため、現場も何を改善すべきか理解できます。目標が明確になればチームの認識が揃い、行動計画も立てやすくなります。
数値として測定できるかで考える
最後にシンプルな基準ですが、「その指標は数値で測定できるか?」という視点を常に持ちましょう。KPIは定量的に進捗を追えるものでなければ意味をなしません。
例えば、
- 顧客満足度を上げる
- 営業力を強化する
といった抽象度の高い目標は、具体的な数値に落とし込めない限りKPIにはなり得ません。もしそうした目標を掲げたい場合は、
- 顧客満足度アンケートのスコア平均○点以上
- 新人営業の平均商談化率○%に向上
といった具合に数値化・指標化できる形に言い換える必要があります。
測定不能な指標をKPIにしてしまうと、現場は何をすればよいか分からず戸惑ってしまいます。常に「これは数字でトラッキングできる目標か?」と自問し、Yesと答えられるものだけを採用するようにしましょう。
インサイドセールスのKPI立案における事例
ここからは実際に弊社セルメイトが支援してKPI立案〜成果創出までに至った事例を2つ紹介します。
- 製造業向けSaaS
- 採用管理サービス
製造業向けSaaS
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 課題 | テレアポ依存で質の低い商談が多く、受注につながらない状態 |
| KPI(取り組み・設計) | SDRで流入率・有効リスト割合・案件化率を分析し、BDRでは接触率・資料送付率・商談化率を追跡。受注分析から特定業種へ集中 |
| 成果 | ・接触率13%→23.7% ・商談化率1%→2.1%に改善 ・3ヶ月で受注案件を創出 |
製造業向けSaaS企業では、テレアポ代行を活用していたものの受注につながる商談がほとんど生まれず、営業体制も代表を含めて2名と限られていたため、受注確度の高いターゲットを見極める仕組みが課題でした。
そこでまずKPI設計に着手し、SDR領域では
- 各チャネルからのターゲット流入率
- 有効リスト割合
- 商談獲得率
- 案件化率
を計測し、どの業態が売上に直結しているのかを可視化。その分析結果をもとに、BDRでは
- 接触率
- 資料送付率
- 商談化率
を月次で追跡する設計へ移行しました。結果として接触率は13%から23.7%へ、商談化率は1%から2.1%へ改善し、わずか3ヶ月で受注案件の創出に成功しました。
採用管理サービス
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 課題 | 優先順位がなく属人的なコール運用となり、商談の質が不安定 |
| KPI(取り組み・設計) | リードをE〜Aでフェーズ管理し、各段階の歩留まり率をKPI化。フェーズごとに最適なアプローチを設計 |
| 成果(After) | 初月から有効商談数が2倍に向上し、スコアリング手法を内製化できる状態へ発展 |
採用管理サービスを提供する企業では、ホワイトリストや既存リードに対する優先順位が存在せず、担当者が場当たり的に架電する属人的な運用に。そのため、商談の質にばらつきが生じ、フィールドセールスの負荷が高まっていました。
そこで最初に取り組んだのが、リードのフェーズ管理を軸としたKPI設計です。リードをE〜Aの5段階に分類し、それぞれのフェーズで「歩留まり率」を指標化することで、どの段階で失注が発生しているのかを定量的に把握できる状態を構築。加えて、停滞リードには、
- メール
- 架電
- 資料送付
- 事例共有
など最適なアプローチを組み合わせ、フェーズごとに打ち手を変える運用へ転換します。その結果、初月から有効商談数が2倍に増加し、優先順位付けのロジックやスコアリング基準を内製チームへ展開できるまでに成熟しました。
KPIの設定・達成はインサイドセールス代行のセルメイト
インサイドセールスのKPI設定は、単に数値目標を掲げる作業ではなく、「どの行動が売上につながるのか」を構造的に理解し、再現性のある営業体制を構築するためのプロセスです。
本記事で解説したように、まずは商談数などの明確なKGIを定め、そこから逆算して各フェーズのKPIを設計することで、現場が取るべき行動が具体化されます。
しかし、「頭では分かっていても自社で実行するのは難しい」「リソースが足りずKPIどころではない」という企業も少なくないでしょう。そこでセルメイトへ依頼してみてはいかがでしょうか。

プッシュ型インサイドセールス代行サービス「セルメイト」は、BtoB企業向けにアウトバウンド型のインサイドセールス構築・運用を支援。SaaS企業をはじめ多くの企業での支援実績があり、リード獲得から商談創出までをワンストップで代行します。
セルメイトでは各社ごとのビジネスモデルや成長フェーズに合わせて最適なKPI設計から施策立案・実行までカバーするため、自社内にノウハウがない場合でも安心です。まずは以下のリンクからお気軽にお問い合わせください。
⇨セルメイトへのご相談・お問い合わせはこちら